ホームレスのおじさんの話の続き

年末に、ホームレスのおじさんに、初めて話しかけた。

その後、元旦にも、おにぎりを作っていった。

そんで、今日、久しぶりにまたカイロと菓子パンを持ってった。

今度は一人で。

今までは息子に付き合ってもらったのだ。

 

おじさん、こんにちわ・・・と声をかけても、気が付かない。

近くによって、こんにちわ〜!と大きな声で言うと、

おやって言うような顔になった。ような気がした。

 

おじさんは、目が悪いのである。

 

おじさん、またカイロ持って来たんだけど・・・と言うと、

ああ!ありがとね〜、と笑った。

 

おじさん、寒くないの?

今日は素朴な疑問を投げかけてみる。

 

すると、

今年はあんまり、寒くないねえ〜。

節分すぎたらもうあったかくなる一方だよ〜

と、笑って言うから、そんなものか・・・と拍子抜けした。

 

私など、布団に入っても寒くて、こんな寒い日に外で寝てる人は

どんなに辛かろう・・・と思ったりしていたので。

聞いてみないとわからないものである。

 

おじさん、食べるものとか、困ってない?

 

おじさんは、

今は、全然、困ってないよ!と笑って言った。

そうか〜、よかった。

でも、菓子パン持ってきたから、食べてね、と渡すと

ありがとね〜と言ってくれた。

 

おじさん、何か必要なものとか、ある?

 

おじさんは、

モノはあっても、持ち運ぶの大変だからね・・・

それに、欲しいものあったら、拾ってくるからさ〜

と笑って言った。

 

それから、

昼間はあんまり動かないでじっとしてて、

夜になると仲間に会いに出かけたりする、

ほら、昼間ウロウロしてると迷惑だろうからさ。

とか

明るいときは目がよく見えてない、

しろーくなっちゃうんだ、全部が。

暗い方がよく見えるんだ。

とか

そんなことを教えてくれた。

 

歯が抜けたその顔をみていたら、

私も時々、おじさんじゃなくて、

おじいさん、と呼んじゃったりしてて、

でも、実際いくつなんだろ、と思ったけど、それは聞かなかった。

 

おじさんは、公園に住んでるからか、

結構色んな人が立ち寄って話をしているのを見かける。

 

タクシーの運転手さんが、

缶コーヒーを持って話をしに来ているのを見て、

ああ、こういう風に接すればいいのか、と

私も思ったのだ。

 

おじさんは、私が思うほど困窮してる様子でも

寒さに打ち震えている訳でもなかった。

 

それがわかって、よかった。

 

おじさんは、寒いのはダイジョブなんだけど、

風邪引くのは困っちゃうんだよな〜

お互いに、風邪には気をつけようね〜

と、言ってくれた。

 

本当に、おじさんにとっては、風邪は命とりなんだろう。

 

おじさんは、私にとって、

「可哀想なホームレスのおじさん」ではなくて、

「公園に住んでる知り合い」くらいの感じになった。

 

知るってことが大事なんだ。

知る為に、勇気を出して声をかけることが大事なんだ。

 

世界から戦争はなくならないかもしれないけれど、

他者を知って、理解しようとすれば、

自分の中の差別や偏見は

少なくすることができるかもしれない。

 

そうすれば私の世界は、今よりも少し豊穣になるだろう。

この記事を書いた人

リョウコ

リョウコ

1974年生まれ。子供が2人と旦那が1人で、東京都在住。
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