【読書感想】『ママがおばけになっちゃった!』

先だっての、炎上の件の

ブログを読んだおとーちゃんが、

面白がって、アマゾンでポチりました。

 

図書館で見かけたら読んでみようと思う程度だったので、

一冊1,200円出すなら、他の絵本が欲しいなあと

正直、思いました。

 

でも、先入観で批判するのはよくない!

なるべくニュートラルな状態を心がけて

読んだつもりです。

 

絵についての感想

 

絵が、すごいですねえ・・・。

これで良いのでしょうか?現代の絵本は。

 

なんというのか、これは、マンガ・・・。

 

マンガのクオリティが低いという意味ではなく、

一コマにつき、一つの説明がつくのが

やっぱりマンガの世界なんじゃないかな。

 

絵本は、どれだけ言葉で説明する部分を少なくできるか、

そういうところに作家の腕を感じます。

 

そして1ページが、一枚の絵として完結してると

良いですねえ。

 

絵の中で遊ぶ、空想が広がる、と言いますか・・・。

 

主題はなんだ?

 

絵本の主題がわかりませんでした。

 

ママは理由もなく死んでしまうし、

かんたろうとおばあちゃんの暮らしは、

まるで、ママがどっか遠くに行っていて、

いつか帰ってくるかのような描写です。

 

「死」について何か教えてくれる話では

なさそうです。「死後の世界」の話なのかな?

 

おばけになったママが現れて、

かんたろうは、生前のいたずらを懺悔します。

 

それから、もう以前のようには一緒にいれないことを

共に嘆き悲しみ、夜の町に散歩に出ます。

 

「ひとは、みんな いつか しぬの。」

 

「いきてる とき こう して おけば

よかったのになって おもう ひとが、

おばけに なるのよ。」

 

ママは後悔の念を抱いて成仏できないようです。

でも、生きてて良かったって思い出も沢山、あるそうです。

 

それは?

 

あなたを産んだこと!

 

このくだり、何度読んでも必然性を感じられない。

 

ママがおばけになった理由を語る重要な場面なのに。

セリフの中で、質問がすり替えられて、

その後のかんたろうに向けた、(恐らくここが感動ポイント)

メッセージに繋がってしまっている。

 

そして、そのメッセージとは、

 

あなた(子供)は、自分の命よりも大切な存在。

あなた(子供)の全てをありのままで、全部肯定します。

 

というもの。

 

メッセージ自体は、良いと思うのだが、

これが語られるに至るエピソードがないので

ちょっと唐突感があると思うのですが、どうでしょうか。

 

おばけになったママは、

かんたろうに「ありがとう、幸せだった」と

言って消え去り、

朝になってかんたろうはいつもの布団で目覚める。

 

ママはやっぱりいないけど、

「ぼく、がんばって みる。ひとりで やれるよ。」

ママに届くように、声を出して言ったのでした。完。

 

ママの性格の描写について

 

おばけになったママの心配事が、

お風呂にひとりで入れる?

ひとりでおしっこできる?

おもちゃの片付け、ちゃんとやるのよ、

・・・って、そんなこと誰かやってくれるよ!

大きくなれば誰でもできるし。

 

ママは、自らを

「おっちょこちょいで、失敗ばっかり」と

評しておりますが、かんたろうのことも

「ダメなところがたまらなく好き」で

「だってあたしにそっくりなんだもん。」

 

息子の自分に似ているところが好き!って

すごいナルシストですねえ。

 

一方で、ちゃんとやれるの?と心配しながら、

ちゃんと出来ない、ダメなあなたを愛してるのよって

ものすごい毒親臭が漂ってて怖い。

 

もしかしたら、絵本を通して、

「色んなことをひとりでやれる子はえらい」

ということを子どもに教える目的で、

こういうセリフをわざと入れてかも知れませんね。

 

そんな気がしてきました。

 

漠然とした読後感

 

感動ポイントで置いてけぼりを食った私には、

何が主題だったのかわからず、ポカーンとしてしまう

絵本でした。

 

誰目線で書かれているのか?

目線があっち行ったり、こっち行ったりして、

誰にも感情移入出来ませんでした。

 

読み終わった後、漠然と岡崎京子の

『リバーズエッジ』というマンガのワンシーンを思いました。

 

もう20年以上前のマンガで、多分家のどこかに

あると思うのですが、探し出せず。

 

頭の中にある思い出だけで書きます。

 

主人公の男の子、山田くんの彼女田島さんが

山田くんのクラスメイトのハルナの家に放火して、

焼身自殺する、っていうシーンがあったと思います。

 

で、山田くんは、死んでしまった田島さんの方が、

生きている田島さんより好きだ、すごく身近に感じる。

というような話をハルナにするんだったと思うのですが・・・。

 

田島さんは、山田くんを好きなあまり、

すごく干渉しちゃったり、顔色をうかがっちゃったりして、

それが山田くんにはたまらなくうっとおしい、

死んでしまった田島さんは、

やっぱりひたすら側で見守ってるんだけど、

もう何も言わない。

 

生身の体がある人間が側にいると、

愛と憎しみは複雑に入り混じってしまうけど、

死によって、憎しみが昇華されて

純粋な想念だけの愛に変わる・・・みたいな

世界かなあと思ったのです。

 

もし、

ママがおばけになったというのは、

かんたろうの妄想で、

目が醒めると、

やっぱりママがいるいつもの日常だったとしたら。

 

かんたろうのママは、かんたろうに無関心だ。

 

かんたろうは、ママの死を想像して、

死んだママは、きっと心配で僕に会いに来てくれるだろう、

僕を愛してるって言ってくれるはず。

 

そうしたら、僕も、ママのこと大好きだって

きっと言えるはず・・・。

 

夜、眠るときにそんな妄想をしてる子供が

いるかも知れないと想像したら、

自分の想像で、涙が出てきました。