ポパイ3月号、五味太郎さんの対談を読んで

マガジンハウスが出している、『ポパイ』という雑誌を

生まれて初めて買いました。

ポパイという雑誌

 

若い頃に見かけたポパイは、

もっと小さかったような気がしますが、

ちょうどMacBookProと同じ大きさです。

 

ポパイを買った理由は、

エレカシの宮本浩次さんのインタビューが

載っていたからですが、

他のページも大変読み応えがありました。

 

全部読んだわけではないのですが、

絵本作家の五味太郎さんと俳優の満島真之介さんの

対談が載っていて、これがすごい面白い!

 

五味太郎さんのお人柄は、なんかのインタビューを見て

なんとなく知っていたのですが、

すごい人は言うことが違うな・・・。

 

名言の宝庫といいますか。

 

へえ、とか、ほほう、なるほど、とか思いながら

楽しく読んでって、最後にはなぜか泣いてしまいました!

 

一箇所だけ、『ここが一番自分にとって面白かった』という所を

挙げさせていただきます。

 

「逃げながら成長する」

 

五味太郎さんの代表作(と言っても色々あると思うのですが)

の一つに、『金魚が逃げた』というお話があります。

 

私が小さい頃にも読んだし、私の娘も息子も読んでいます。

 

金魚が色んなとこに逃げて、擬態している絵本です。

ストーリーがあるわけではなく

金魚がどこに隠れているかを探して、

楽しいみたいな絵本だと思います。

 

絵が可愛らしくて、文が完結で、

ページをめくるのが楽しい。

何回読んでも飽きないです。

 

で、対談の中で、その作品に触れている箇所があります。

ちょっとだけ、引用します。

 

俺、『きんぎょが にげた』っていう本を作ってからずっと

「逃げる」っていう言葉が気になってて、

今度『ひよこは にげます』っていう本を出すんだけど、

逃げるって言葉はいいなと思って。

ここじゃない、あそこだっていう意味だよね。

 

たぶん逃げながら成長していくんだよ。

だからここじゃないって気づく感受性と、

逃げ足の速さだけは守ってやりたいなって感じがするよね。

その能力を育てていく教育プログラムがひとつもないから。

 

逃げられなかった思い出

 

私は、31歳の時に、勤めてた居酒屋のママと

どうにも折り合いが悪くて、でも辞められなくて・・・

 

今考えるとブラック企業みたいな感じなんですが、

恫喝されて働いていたというか。

 

その時、もう辞めたいと毎日考えながらも

どこかで「逃げたら、負けなんじゃないか?」って

思い詰めてしまって、ストレスで身体中に湿疹が出て

咳が止まらなくなり、抑鬱状態になりました。

 

最終的にママに「もう来ないでいいよ!」と言われ、

その時は「やったー!勝ったー!」って思いましたが、

それからしばらくは人が怖くなってしまいました。

 

もし五味さんの「逃げながら成長していくんだよ」という言葉を

当時知っていたら、勇気を出して、逃げ出せたかもしれないなあ、

と思いました。

 

逃げる勇気も出なかったんですよね、当時は。

 

困難な時、メッセージは必要になる

 

『きんぎょが にげた』に

そんな深遠な思想が隠されていたとは

驚きですが、それは、絵本から

直接的なメッセージを受け取ることは

大して重要ではないってことなんだと思います。

 

小さい子供は、深刻な悩みって

あまりないように思うのですが、

大人になると様々な場面で、

決断しなければならなかったり

自分の能力が足りないと感じたり、

人間関係がうまくいかなかったりと

毎日、悩みがつきないものです。

 

悩みに直面して、それを乗り越えたい時、

助言なり、メッセージなり、占いなり、

心の拠り所が必要になるのかもしれません。

 

そうだとすれば、子供の時代は、

絵本からただ何かを感じれば良い。

逆に大人こそ、

絵本に込められたメッセージに気が付いて

勇気付けられたり、方向を示唆してもらえる

可能性があるような気がします。

 

 

繰り返し繰り返し、読みたくなる絵本、

何度読んでも飽きない絵本というのは

読者の心に内面化して、

困った時にそのメッセージを発動するのだ。

・・・なんちゃって。

(☝なんちゃってをつけると緩むからいい、と

五味さんがおっしゃってるのでつけてみました!)